不登校の自宅学習が出席扱いになる7要件|小中学生のICT学習と文科省通知
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「不登校 出席扱い ICT」で検索すると、教材の広告と制度の説明が混ざって出てきます。何がどこまで決まっていて、誰が何を判断するのかを、根拠になっている文部科学省の通知そのものから確認しました。
**この記事は小学生・中学生(義務教育段階)の保護者に向けたものです。**後で説明するとおり、自宅でのICT学習を出席扱いにする仕組みは義務教育段階を対象に定められていて、高校生には同じ文書が適用されません。引用した通知の本文と統計は、2026年8月13日に文部科学省のサイトで確認しています。
結論
自宅でICT教材などを使った学習を出席扱いにできるかどうかは、文部科学省の通知「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)の別記2が定める7つの要件を満たすかどうかで決まります。判断するのは教材の会社でも教育委員会でもなく、在籍している学校の校長です。
通知の書き方は「校長は……出席扱いとすることができる」で、要件がそろえば自動的に出席になる仕組みではありません。文部科学省も、判断のための一律の基準は示していないと明言しています。実務で誤解されやすいのは、訪問等による対面指導が前提という要件(3)と、学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けられないような場合が基本という要件(6)の2つです。
2024年度(令和6年度)に自宅でのICT等を活用した学習活動が指導要録上の出席扱いとなったのは13,261人(小学生4,828人・中学生8,433人)。同じ年度の小・中学校の不登校児童生徒353,970人が母集団です。


結論:出席扱いは「校長が7要件を満たすと判断した場合にできる」
先に3行でまとめます。
- 根拠は文部科学省の通知の別記2。義務教育段階の不登校児童生徒が自宅でICT等を活用した学習活動を行った場合の、指導要録上の出欠の取扱いを定めた文書です
- 判断するのは在籍する学校の校長。「この教材を使えば出席扱いになる」という決まりはどこにもありません
- 要件は7つ。このうち(3)の対面指導と、(6)の「学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けられないような場合」の2つが、実務でいちばん誤解されています
つまり、家庭で用意するのは「出席扱いになる教材」ではなく、校長が要件を満たしていると判断できる状態です。教材はその一部でしかありません。
「別記2」とは何か——通知のどこに書かれているのか
別記2とは、義務教育段階の不登校児童生徒が自宅でICT等を活用した学習活動を行った場合に、校長が指導要録上の出席扱いにできる要件を定めた文部科学省の文書です。
親通知にあたるのは「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(元文科初第698号・令和元年10月25日)です。この通知は、場面ごとに3つのルートを振り分けています。原文は次のとおりです。
義務教育段階の不登校児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において,指導・助言等を受けている場合の指導要録上の出席扱いについては,別記1によるものとし,高等学校における不登校生徒が学校外の公的機関や民間施設において,指導・助言等を受けている場合の指導要録上の出席扱いについては,「高等学校における不登校生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の対応について」(平成21年3月12日付け文部科学省初等中等教育局長通知)によるものとすること。 また,義務教育段階の不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出席扱いについては,別記2によるものとすること。
| 対象になる児童生徒 | 学習・相談の場所 | 根拠になる文書 | 判断する人 | |
|---|---|---|---|---|
| 別記1 | 義務教育段階(小・中) | 学校外の公的機関・民間施設 | 令和元年10月25日通知の別記1 | 在籍校の校長(民間施設は教育委員会と連携) |
| 別記2 | 義務教育段階(小・中) | 自宅(ICT等を活用した学習活動) | 令和元年10月25日通知の別記2 | 在籍校の校長 |
| 高等学校 | 高等学校の不登校生徒 | 学校外の公的機関・民間施設 | 平成21年3月12日付け初等中等教育局長通知 | 在籍校(本記事では通知の本文を確認していません) |
出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)(2026年8月13日確認)。
表の3行目のとおり、**高校生に別記2は適用されません。**高等学校の不登校生徒については、親通知が平成21年3月12日付けの別の局長通知を指しています。本記事ではその通知の本文までは読んでいないため、高校生の扱いには踏み込みません(詳しくは後半で触れます)。
別記2の7つの要件(原文のまま)
要件の前に、まず柱書を読むところから始めます。誰が、何を判断するのかが書かれているのはここです。
義務教育段階における不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行うとき,当該児童生徒が在籍する学校の長は,下記の要件を満たすとともに,その学習活動が,当該児童生徒が現在において登校を希望しているか否かにかかわらず,自ら登校を希望した際に,円滑な学校復帰が可能となるような学習活動であり,かつ,当該児童生徒の自立を助けるうえで有効・適切であると判断する場合に,指導要録上出席扱いとすること及びその成果を評価に反映することができる。
ここから読み取れることが3つあります。
- 主語は「当該児童生徒が在籍する学校の長」、つまり校長です。教材の会社でも、家庭でもありません
- 7つの要件は「満たすとともに」の部分です。要件を満たしたうえで、さらに「円滑な学校復帰が可能となるような学習活動」「自立を助けるうえで有効・適切」と校長が判断する必要があります
- 文末は「できる」。出席扱いにしなければならない、とは書かれていません
そのうえで、7つの要件は次のとおりです。
| 要件 | 別記2の本文(原文) |
|---|---|
| (1) 連携 | 保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること。 |
| (2) 学習の形態 | ICT等を活用した学習活動とは,ICT(コンピュータやインターネット,遠隔教育システムなど)や郵送,FAXなどを活用して提供される学習活動であること。 |
| (3) 対面指導 | 訪問等による対面指導が適切に行われることを前提とすること。対面指導は,当該児童生徒に対する学習支援や将来の自立に向けた支援などが定期的かつ継続的に行われるものであること。 |
| (4) 学習プログラム | 学習活動は,当該児童生徒の学習の理解の程度を踏まえた計画的な学習プログラムであること。なお,学習活動を提供するのが民間事業者である場合には,「民間施設についてのガイドライン(試案)」(別添3)を参考として,当該児童生徒にとって適切であるかどうか判断すること。 |
| (5) 状況の把握 | 校長は,当該児童生徒に対する対面指導や学習活動の状況等について,例えば,対面指導に当たっている者から定期的な報告を受けたり,学級担任等の教職員や保護者などを含めた連絡会を実施したりするなどして,その状況を十分に把握すること。 |
| (6) 適用される場面 | ICT等を活用した学習活動を出席扱いとするのは,基本的に当該児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けられないような場合に行う学習活動であること。なお,上記(3)のとおり,対面指導が適切に行われていることを前提とすること。 |
| (7) 評価への反映 | 学習活動の成果を評価に反映する場合には,学校が把握した当該学習の計画や内容がその学校の教育課程に照らし適切と判断される場合であること。 |
出典:文部科学省「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」(別記2)(2026年8月13日確認)。

(4)が参照している「民間施設についてのガイドライン(試案)」(別添3)は、同じ通知に添えられている別の文書です。本記事ではこのガイドラインの中身までは読んでいないため、民間の教材や施設が「適切かどうか」の判断材料には踏み込みません。
なお(2)を読むと、オンラインでなければならないわけではないことが分かります。郵送やFAXを使って提供される学習活動も、この通知が言う「ICT等を活用した学習活動」に含まれています。
「この教材を使えば出席扱いになる」と言えないのはなぜか
通知は民間事業者が提供するICT教材も対象に含めています。それでも「この教材を使えば出席扱いになる」とは言えません。出席扱いにするかどうかを決めるのは在籍する学校の校長で、教材の側が決められる仕組みになっていないからです。
別記2と同じページに載っている文部科学省のQ&Aは、校長が判断するときの基準について、こう答えています。
一人一人の児童生徒の状況や学校,地域の実態が違うため,文部科学省から一律の基準を示すことはしていません。しかし(略)学校や教育委員会において一定の基準を作成しておくことは必要であると考えます
全国共通のものさしは無く、基準づくりは学校と教育委員会に委ねられている、という整理です。同じ教材を同じように使っていても、住んでいる自治体や在籍する学校によって判断が変わりうる、ということでもあります。
構造として整理すると、こうなります。
- 通知が求めているのは、教材の銘柄ではなく状態です。連携・対面指導・計画・報告がそろっているかを校長が見ます
- 教材の広告に出席扱いになった件数や事例が並ぶことがありますが、それは各家庭と学校のあいだで要件が満たされた結果であって、教材が出席扱いを決めたわけではありません
- したがって、教材を契約する前に確認する順番は「その教材が出席扱いに対応しているか」ではなく、在籍校に基準があるか、どう運用しているかが先になります
Q&Aは、出席扱いと判断しなかった事例も挙げています。
・学校が,家庭訪問等による対面指導を設定したが,家庭の協力が得られないことから,当該児童の状況や学習状況の様子が十分確認できなかった ・無料のインターネット学習プログラムを利用していたが,当該プログラムにおける学習のねらいや内容が明確でなかった
どちらも「どの教材を使ったか」ではなく、(1)の連携と(4)の学習プログラムの中身が理由になっています。
出典:文部科学省 別記2およびQ&A「指導要録上の出席扱いに係る積極的な対応の留意点」(2026年8月13日確認)。

自宅ではなく民間のスクールに通う形を考えている場合は、別記2ではなく別記1(学校外の施設で相談・指導を受ける場合)のルートになります。判断するのが在籍中学校の校長である点は同じで、実際の運用はN中等部の学費と出席扱いを誰が判断するのかを公式情報で整理した記事で具体例を確認できます。
誤解されやすい2つの要件——対面指導と「受けられないような場合」
7つのうち、家庭の想定とずれやすいのが(3)と(6)です。「自宅でオンライン教材を進めていれば出席扱いになる」という理解では、この2つを満たせません。

(3) 訪問等による対面指導が「前提」
要件(3)は、対面指導が適切に行われることを前提としたうえで、その対面指導が「定期的かつ継続的に行われるもの」であることを求めています。単発の家庭訪問や、必要なときだけの連絡では足りない、という書き方です。
誰が対面指導を担うのかについて、Q&Aは次のように答えています。
在籍校の教員やスクールカウンセラー,スクールソーシャルワーカーなどの専門家のほか,教育支援センターの職員,教育委員会等による事前の指導・研修を受けたボランティアスタッフなども想定されます
家庭で用意するものではなく、学校や教育委員会と一緒に組み立てる部分だと分かります。前掲の「判断しなかった事例」の1つ目が、対面指導を設定できたのに家庭の協力が得られなかったケースだった点も合わせて読むところです。
(6) 基本は「学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けられないような場合」
要件(6)は、自宅でのICT学習を出席扱いにするのは「基本的に当該児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けられないような場合」だとしています。

順番でいうと、教育支援センター(適応指導教室)やフリースクールなどに通えるのであれば、まずそちらが想定されていて、その場合は別記1のルートで判断されます。自宅でのICT学習は、そこに通うのが難しい状況を前提に置かれた仕組みです。「どちらが得か」を家庭が選ぶ話ではなく、状況に応じてどの枠組みで判断するかが変わる、と読むのが通知の書き方に沿っています。
どんな学習が対象になるのか(文部科学省が挙げている例)
対象になる学習活動の例として、Q&Aは次のものを挙げています。特定の教材に限られてはいません。
- 民間業者が提供するICT教材を活用した学習
- パソコンで個別学習できるシステム
- 教育支援センターが作成したICT教材
- 学校のプリントや通信教育
- 在籍校の授業を自宅に配信するもの(同時双方向型/オンデマンド型)
学校が配るプリントや、以前から使っている通信教育も並んでいます。新しくオンライン教材を契約することが前提の制度ではない、ということです。
要件(4)の「計画的な学習プログラム」については、Q&Aが具体的な水準を示しています。
在籍校の年間指導計画に準拠した形で月ごとや学期ごとなどある程度長期的な計画になっていることが望ましい。民間業者が提供する教材を活用する場合などは,あらかじめ決められている学習プログラムを活用してもかまいません
つまり、家庭で学習計画を一から作る必要はありません。ただし在籍校の年間指導計画と結びつける作業が入るため、ここでも学校との相談が前提になります。前掲の「判断しなかった事例」の2つ目が、無料のプログラムで学習のねらいと内容がはっきりしなかったケースだったことも、この要件の裏返しです。
出典:文部科学省 別記2およびQ&A(2026年8月13日確認)。
実際に何人が出席扱いになっているのか(令和6年度の調査)
文部科学省の「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、2024年度(令和6年度)に自宅でのICT等を活用した学習活動が指導要録上の出席扱いとなった児童生徒は13,261人(小学生4,828人・中学生8,433人)でした。
| 令和6年度(2024年度) | 令和5年度 | |
|---|---|---|
| 自宅におけるICT等を活用した学習活動を出席扱いとした児童生徒数 | 13,261人(小4,828/中8,433) | 10,467人 |
| 学校外の機関等で相談・指導等を受け、出席扱いとした児童生徒数 | 42,978人 | 38,632人 |
| 欠席期間中の学習の成果を指導要録に反映した児童生徒数 | 81,467人 | 令和6年度からの新規調査項目 |
| (母集団)小・中学校の不登校児童生徒数 | 353,970人(小137,704/中216,266) | — |
出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」概要(PDF)(調査の一覧ページ・いずれも2026年8月13日確認)。

数字を読むときの注意が2つあります。
ひとつは母集団です。13,261人という数は、小・中学校の不登校児童生徒353,970人(2024年度)に対する内訳であって、高校生は含まれていません。もうひとつは重複で、調査自身が「学校外の機関等で(略)出席扱いとした児童生徒と,自宅におけるICT等を活用した学習活動を出席扱いとした児童生徒は重複もあり得る」と注記しています。2つの数を足すことはできません。
推移も見ておきます。小・中学校の合計で、令和元年度608人 → 令和2年度2,626人 → 令和3年度11,541人 → 令和4年度10,409人 → 令和5年度10,467人 → 令和6年度13,261人。5年で大きく増えたのは確かですが、令和3年度から令和4年度にかけては一度減っています。右肩上がりが続いてきたわけではありません。
出席扱いになった日は、どう記録されるのか
指導要録への書き方は、別記2が指定しています。
出席日数の内数として出席扱いとした日数及び児童生徒が通所又は入所した学校外の施設名を記入すること
出席日数とは別枠で加算されるのではなく、内数として記録される形です。何日分と数えるか(換算)については、留意事項がこう書いています。
出席扱いの日数の換算については,学校や教育委員会が,例えば,対面指導の日数や学習活動の時間などを基準とした規程等を作成して判断することなどが考えられること
1日何時間の学習で1日分になるのか、といった換算のルールは通知が決めておらず、学校や教育委員会の規程に委ねられています。ここも自治体差が出るところなので、相談のときに聞いておく項目になります。

もうひとつ、通知は次の留意事項も置いています。
ICT等を活用した学習活動を出席扱いとすることにより不登校が必要な程度を超えて長期にわたることを助長しないよう留意すること
出席扱いは、家にいる状態を固定するための仕組みとしては設計されていません。柱書が「自ら登校を希望した際に,円滑な学校復帰が可能となるような学習活動」という条件を置いていることと対になっています。
出典:文部科学省 別記2(2026年8月13日確認)。
学校への相談は、どこから始めればよいのか
最初にやることは、担任や学年主任を通じて「自宅でのICT等を活用した学習の出席扱いについて、学校または教育委員会に基準(規程)があるか」を聞くことです。要件(1)が保護者と学校の連携・協力関係である以上、家庭側だけで教材と計画を用意しても、要件は埋まりません。

要件の並び順に沿って整理すると、相談で決めることは5つです。
- **基準の有無を確認する。**学校・教育委員会に判断の基準や前例があるか。文部科学省は一律の基準を示しておらず、基準づくりは学校と教育委員会の側にあります
- **対面指導の形を決める。**誰が、どのくらいの頻度で行うか(要件(3)(5))。担い手として想定されているのは在籍校の教員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、教育支援センターの職員などです
- **学習の中身を決める。**在籍校の年間指導計画に準拠した、月ごと・学期ごとの計画が望ましいとされています。民間教材のあらかじめ決められたプログラムを使ってもかまいません(要件(4))
- **報告と連絡会の形を決める。**校長が状況を把握できるように、対面指導にあたる人からの定期的な報告や、担任・保護者を含む連絡会をどう回すかを決めます(要件(5))
- **日数の数え方を確認する。**出席扱いの日数の換算は学校や教育委員会の規程によります。何をもって1日分とするのかを、始める前に聞いておきます
Q&Aの「出席扱いと判断しなかった事例」から逆算すると、避けたいのは対面指導の設定に家庭が応じられないまま進むことと、学習のねらいと内容がはっきりしない教材だけで進めることの2つです。どちらも教材選びの前段にある話で、学校との相談の中で埋まります。
教材や指導サービスの側にも、この相談を前提にした「出席扱いのサポート」を掲げるものがあります。たとえば無学年式のオンライン教材不登校のこと、もうひとりで悩まないで!【すらら】
や、不登校専門のオンライン個別指導出席扱いサポート制度あり【ティントル】
、自宅からオンラインで学ぶ形のフリースクールクラスジャパン小中学園です。ただし、ここまで見てきたとおり判断するのは在籍校の校長で、教材側の「サポート」は要件(4)の学習計画と要件(5)の報告を整えやすくする助けにとどまります。「使えば出席扱いになる」とは読まないでください。
進路そのものを考える段階なら、内申点や出席日数が高校受験にどう影響するかも並行して確認しておくと判断が早くなります。この点は不登校の中学3年生の進路と、内申・出席日数の扱いを整理した記事にまとめています。

高校生の自宅でのオンライン学習は、どう扱われるのか
**別記2は義務教育段階を対象にした文書なので、高校生には適用されません。**高等学校の不登校生徒については、親通知が「高等学校における不登校生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の対応について」(平成21年3月12日付け文部科学省初等中等教育局長通知)を指しています。本記事ではこの通知の本文を読んでいないため、要件や運用には踏み込みません。高校生の場合は、在籍校と都道府県教育委員会に直接確認してください。

統計の上でも別枠です。ここまで挙げた13,261人・353,970人は小・中学校の数字で、高等学校の不登校生徒は令和6年度で67,782人と、別に集計されています(前掲の文部科学省の調査結果)。ネット上には義務教育段階の7要件をそのまま高校生に当てはめた説明も見かけますが、根拠になっている文書が違います。
高校段階では、そもそも自宅学習を前提に単位を取る課程が制度として用意されています。通信制課程はレポートとスクーリング(面接指導)で単位を積み上げる仕組みで、出席扱いを個別に判断してもらう話とは前提が異なります。全日制との違いは通信制高校と全日制の違いを在校生・保護者の声も含めて比較した記事で確認できます。
よくある質問
自宅でICT教材を使えば、出席扱いになりますか。
教材を使うだけでは要件を満たしません。文部科学省の通知(別記2)は7つの要件を挙げていて、そのうち要件(3)は訪問等による対面指導が適切に行われることを前提としています。指導要録上の出席扱いにするかどうかを判断するのは、在籍している学校の校長です。
出席扱いにするかどうかは、誰が決めるのですか。
在籍する学校の校長です。別記2の柱書は「当該児童生徒が在籍する学校の長は……指導要録上出席扱いとすること及びその成果を評価に反映することができる」と書いています。文部科学省は判断の一律の基準を示していないとしたうえで、学校や教育委員会において一定の基準を作成しておくことは必要だとしています。
フリースクールに通う場合と、自宅で学習する場合で扱いは違いますか。
根拠になる文書が違います。学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受ける場合は同じ通知の別記1、自宅でICT等を活用した学習をする場合は別記2です。別記2の要件(6)は、自宅での学習を出席扱いにするのは基本的に学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けられないような場合だとしています。
出席扱いになった日は、指導要録にどう書かれますか。
別記2は「出席日数の内数として出席扱いとした日数及び児童生徒が通所又は入所した学校外の施設名を記入すること」としています。出席日数とは別枠で足されるのではなく、内数として記録される形です。何日分と数えるかの換算は、学校や教育委員会が対面指導の日数や学習活動の時間などを基準とした規程等を作成して判断することが考えられる、とされています。
高校生でも別記2で出席扱いになりますか。
別記2は義務教育段階(小・中学校)を対象とした文書なので、高校生には適用されません。高等学校の不登校生徒については、親通知が平成21年3月12日付けの別の局長通知を指しています。本記事ではその通知の本文を読んでいないため、高校生の場合は在籍校と都道府県教育委員会に確認してください。
まとめ

- 自宅でのICT等を活用した学習を出席扱いにできる根拠は、文部科学省の通知(令和元年10月25日)の別記2。義務教育段階(小・中学校)が対象で、高校生には適用されません
- 判断するのは在籍する学校の校長。通知は「できる」と書いていて、要件がそろえば自動的に出席になる仕組みではありません
- 要件は7つ。実務でつまずきやすいのは、訪問等による対面指導が前提という(3)と、学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けられないような場合が基本という(6)です
- 文部科学省は一律の基準を示していないと明言しています。基準づくりは学校と教育委員会の側にあるので、在籍校への相談が出発点になります
- 2024年度(令和6年度)に自宅でのICT等を活用した学習で出席扱いとなったのは13,261人。母集団である小・中学校の不登校児童生徒は353,970人です
制度そのものは全国共通でも、運用の基準は学校・教育委員会ごとに作られます。ここに書いた要件は判断の枠組みであって、お子さんの学校でどう運用されているかは、下記の一次情報を手元に置いたうえで在籍校に確認してください。通信制高校を含めた進路の選択肢は、通信制高校をテーマにした記事の一覧から必要なものを選んで読めます。
出典: 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(元文科初第698号・令和元年10月25日)/ 文部科学省 別記2「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」およびQ&A/ 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」概要(PDF)/ 同調査の一覧ページ (すべて2026年8月13日確認)